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滞納したまま退去されたら家賃はどうする?オーナーが知っておきたい退去後の回収方法

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賃貸管理のお役立ち情報『滞納したまま退去されたら家賃はどうする?オーナーが知っておきたい退去後の回収方法』


 

「退去したから滞納問題も終わり」ではありません

家賃を数カ月滞納していた入居者が、ようやく退去することになった。

オーナーとしては、

「とにかく部屋が戻ってくるならよかった」

と安心する場面です。

しかし、退去したからといって、それまでの滞納家賃がなくなるわけではありません。

たとえば、

家賃7万円
滞納3カ月
未払い21万円

のまま退去したのであれば、退去後も21万円の未払いが残ります。

さらに退去時には、

  • 原状回復費
  • クリーニング費
  • 残置物処分費
  • その他の未払い金

が発生することもあります。

だからこそ、退去が決まった段階で、未払い総額を整理することが重要です。


まず「いくら未払いなのか」を確定する

退去後の回収で最初に行いたいのは、請求額の整理です。

たとえば、

  • 8月家賃 70,000円
  • 9月家賃 70,000円
  • 10月家賃 70,000円
  • 共益費 15,000円
  • その他契約上の未払い ○円

というように、何の費用がいくら残っているのかを明確にします。

「滞納がだいたい20万円くらい」

ではなく、月ごと・項目ごとに確定させることが大切です。


敷金があれば滞納家賃に使える?

敷金を預かっている場合、未払い家賃などの借主の債務と精算することがあります。

たとえば、

敷金70,000円
滞納家賃210,000円

なら、敷金を精算しても140,000円が残るという形です。

ここで注意したいのは、

敷金だけで退去時費用すべてが解決するとは限らない

ということです。

原状回復費も発生すれば、さらに未払い総額が増える可能性があります。


「敷金を全部修繕費に使う」は一度整理する

退去時には、

「クロス交換が必要だから敷金は全部原状回復費へ」

と考えてしまうことがあります。

しかし、家賃滞納もある場合は、

  • 未払い家賃
  • 原状回復費
  • その他の債務

をまとめて整理する必要があります。

また、原状回復費については、すべてが入居者負担になるわけではありません。

以前の記事でも解説したように、通常損耗や経年劣化まで入居者へ請求できるとは限りません。

まず正当な入居者負担額を確定させ、そのうえで敷金精算を行うことが大切です。


保証会社があるなら退去後の保証範囲を確認する

家賃保証会社を利用している場合は、退去後の未払いについても確認します。

保証会社によっては、

  • 滞納家賃
  • 共益費
  • 更新料
  • 原状回復費
  • 明渡しに関する費用

などが保証対象になる場合があります。

一方で、商品によって保証範囲は違います。

特に退去後の原状回復費などは、

請求期限や報告期限が決められている場合

があります。

退去してからゆっくり請求書を整理していると、保証申請期限を過ぎる可能性もあるため注意が必要です。


連帯保証人がいる場合は?

連帯保証人が付いている場合、契約内容に応じて滞納家賃などを請求できる可能性があります。

ただし、現在の個人保証契約では、以前の記事で紹介した極度額も重要です。

たとえば極度額が100万円なら、連帯保証人が負担する責任にも上限があります。

また、

「本人と連絡が取れなくなってから初めて保証人へ連絡する」

のではなく、滞納が長期化する前から状況を共有しておいた方が対応しやすくなります。


退去時に「分割で払います」と言われたら?

よくあるのが、

「退去費用と滞納家賃を合わせると払えないので、毎月1万円ずつ払います」

という提案です。

ここで前回の記事と同じ考え方が重要になります。

たとえば未払い総額が30万円で、

毎月1万円返済なら、

完済まで30カ月

です。

2年半にわたり毎月確実に払ってもらえるのかを考える必要があります。

分割を認めるなら、

  • 未払い総額
  • 毎月の支払額
  • 支払日
  • 完済予定日
  • 振込先

などを明確にしておきましょう。


退去時に精算書を作っておく

退去後に、

「いくら払えばいいんですか?」

という状態にならないよう、請求内容を整理した精算書を作ることも重要です。

たとえば、

滞納分

家賃 210,000円

入居者負担分

原状回復費 50,000円

預かり敷金

▲70,000円

最終請求額

190,000円

というように、計算根拠が分かる形にします。

請求額が明確であれば、本人や保証人、保証会社とも話を進めやすくなります。


「退去したから連絡が取れなくなる」こともある

退去前は連絡が取れていたのに、鍵を返した途端に電話に出なくなるケースがあります。

そのため退去前に、

  • 転居先住所
  • 新しい電話番号
  • メールアドレス
  • 精算金の支払方法

などを確認しておくことも重要です。

郵便物の送付先が分からなければ、後から請求することも難しくなります。


鍵返却と同時に債務が消えるわけではない

オーナーが注意したいのが、

「鍵を返してもらったから、これで終わり」

としてしまうことです。

鍵の返却は物件の明渡しという意味では非常に重要ですが、未払い債務まで消えるわけではありません。

退去処理と金銭精算は分けて管理する必要があります。


少額だから諦めるべき?

たとえば未払いが2万円、3万円だけ残っている場合、

「回収の手間を考えたら諦めた方がいいのでは」

という判断もあり得ます。

これは経営判断になります。

請求書の送付、管理会社の業務、法的手続きなどに多くのコストをかけて少額を回収することが合理的とは限りません。

一方で、

「少額なら払わなくてもいい」

という運用にしてしまうのも問題です。

管理会社と、

  • いくらまでは通常督促
  • どの段階で書面請求
  • どこから専門家へ相談

など、一定の基準を決めておくとよいでしょう。


滞納額が大きい場合は早めに専門家へ相談する

退去後も多額の未払いが残り、

  • 本人と連絡が取れない
  • 分割払いにも応じない
  • 保証会社の対象外
  • 保証人からも支払いがない

という場合は、法的な回収方法を検討することになります。

ただし、

「弁護士に頼めば必ず全額回収できる」

とは限りません。

本人に資力がなければ、請求権があっても実際の回収が難しい場合があります。

そのため、滞納が大きくなってから回収方法を考えるのではなく、滞納初期から増やさないことが最も重要です。


退去後の回収より「退去前」が重要

実は、退去後の滞納回収を成功させるためには、退去前の対応が非常に重要です。

退去前に、

  • 滞納額を確定する
  • 本人へ金額を伝える
  • 支払計画を確認する
  • 保証会社へ連絡する
  • 連帯保証人へ連絡する
  • 転居先を確認する

ところまで進めておけば、その後の回収がしやすくなります。

逆に、

「まず退去してもらって、その後お金の話をしよう」

とすると、退去後に連絡が取れなくなるリスクがあります。


オーナーが管理会社に確認したいポイント

滞納者が退去する場合は、管理会社へ次の点を確認してみてください。

  • 最終的な滞納額はいくらか
  • 敷金はいくら預かっているか
  • 原状回復費はいくらになるか
  • 保証会社の保証対象はいくらか
  • 保証申請期限はいつか
  • 連帯保証人への連絡は済んでいるか
  • 本人の転居先は確認できているか
  • 未払い分をいつまでに支払う予定か

特に重要なのは、退去後に誰が回収管理を続けるのかです。


まとめ|退去させることと滞納回収は別に考える

滞納者が退去すると、オーナーとしては大きな問題が一つ解決したように感じます。

しかし、

「退去した=滞納問題も終了」ではありません。

押さえておきたいのは、

  • 退去時点の滞納額を確定する
  • 敷金と適切に精算する
  • 原状回復費も整理する
  • 保証会社の申請期限を確認する
  • 連帯保証人への請求可能性を確認する
  • 本人の転居先を確認する
  • 分割なら完済期限を明確にする
  • 退去後も回収状況を管理する

という点です。

そして最も重要なのは、退去後に回収することより、そもそも大きな滞納額を作らないことです。

家賃滞納は1カ月目から対応し、支払い状況が改善しないのであれば早めに次の手を打つ。

この積み重ねが、賃貸経営における未回収リスクを減らすことにつながります。

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