税金と保険
税金も保険も、サラリーマン時代は会社の人事、総務、経理部が事務処理をやってくれます。給料明細を受取っても、見るのは手取り金額ぐらいで、税金や保険の内容や金額については無関心ではなかったでしょうか。しかし、独立すると、手続きからその支払いまでを、全て自分でやることになります。
人事業主とサラリーマンの税金と保険
個人事業主 | サラリーマン | |
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課税対象 | 事業所得 (売上-必要経費-各種控除額) | 給与所得 |
所得税 | 前年1年分の事業所得を計算し確定申告を行い、所得税を自己申告する。納税は1年分をまとめて3月15日までに行う。 | 毎月給料から源泉徴収され、年末調整で過不足を精算する。 |
住民税 | 前年の確定申告書をもとに算定され、納付書が送られてくる。※前年の所得に対する課税のため、退職した翌年、収入のない時期にドーンと住民税の請求がくる場合がある。 | 前年の給与所得をもとに算定され、翌年の給与から天引きされる。 |
事業税 | 事業所得が290万円までは免税。算定式:(前年の事業所得−各種控除−事業主控除額290万円)×税率5% | ー |
消費税 | 売上高1000万円を超えると納税する義務がある。1000万円以下は免税。※平成17年分から新ルールへ改正(平成15年の課税売上高が1,000万円を超えると、平成17年からは消費税の課税事業者となり、申告納付が必要となる。) | ー |
年 金 | 国民年金へ加入する。1ヵ月1万3300円の定額支払い。 | 厚生年金へ加入。毎月の給与から天引きされる。 |
健康保険 | 国民健康保険へ加入する。前年分の所得に応じて保険料が決定する。※前年に退職し、高給だった場合は、それに対する保険料高くなる。 | 所属の会社、団体による健康保険に加入、毎月の給与から天引きされる。 |
雇用保険 | ー | 失業時に給付される保険、毎月の給与から天引きされる。 |
労災保険 | 万が一の場合を考えて加入する方が良いでしょう | 業務上又は通勤災害による傷病、死亡等を対象に給付される。 |
実質的な収入 | 売上から上記項目を差し引いた残金額 | 給与の手取金額 |
確定申告は青色申告がお得
確定申告を行うための基礎資料として、「帳簿の記帳」が義務付けられています。税務署のためだけでなく、売上が上がっているのかどうか分からない状態で仕事をやってしまわないためにも必要な作業といえます。特に、1人で始めても、スタッフを雇うことを視野に入れている方や、近い将来法人化する予定の方は、最初は自分でやってみることをお勧めします。現金出納記録と領収書を税理士などへ頼む事もできますが、仕事がで暇がなくなるまでは自分でする事をおすすめします。経理ソフトを購入すると手軽に計算ができます。確定申告には青色申告と白色申告とがあります。結論的には、節税できる青色申告がお得です。では、なぜ皆が青色申告しないか?(税務署の広報によると、約40%の人が白色)、帳簿の記帳義務があるから面倒だと思う人が多い様です。白色申告はそれがないように思われがちですが、実は大間違いで、多かれ少なかれ記帳する事を考えるなら、節税の特典がたくさん付いてる青色申告の方がお得と言う訳です。
所得税の確定申告
青色申告 | 白色申告 | |
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記帳の義務 | 原則:正規の簿記による帳簿の記帳 代替:以下の簡易帳簿でもOK。
| 原則:事業所得が300万円を超える場合に記帳の義務が発生する。 ※300万円以下なら帳簿はいらない様に見えて、現実的に帳簿をつけないで必要経費はつかめないので、帳簿は必要。 |
決算書の作成 | 「損益計算書」「貸借対照表」の作成 | 「収支内訳書」の作成 |
特 典 | 青色申告の主な特典は以下の通り。
| 白色の場合は、一定額まで。
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申請手続 | 青色申告:「青色申告承認申請書」 家族に給与を支払う場合:「青色事業専従者給与に関する届出書」 | ー |